掛け時計
まだ家を建てる計画もないころ、細がショッピングセンターの時計店で見て気に入っていた掛け時計があった。
すごーく薄い。デザインはシンプル。とても感じのいいものだった。
私もデザインは気に入ったものの、時計は正確なほうがいいので電波時計の機能ははずせなかった。
私の意見で結局そのときは他のものを探すことにしたのだが、それより気に入ったデザインのものは見つからなかったために買わずじまいに終わった。
それから2年か3年が経ち、家が完成し、掛け時計が必要だということになった。
細はどうしてもあのときの時計が忘れられないようだった。
そこまで気に入っているのならと、細への新築祝いとしてあの時計を買ってあげることにした。
しかし、その時計店はすでにショッピングセンターから撤退してしまい、時計のメーカーも名前も型番もわからなくなっていた。
その店の本店が市内にあったため出かけて行くと、「丸くて白くてシンプルで薄いやつ」という(幼稚な)説明からなんとかあの時計に再会することができた。(見つかるまで根気よくたくさんの時計を出してきていただいた時計屋さん、ありがとうございました。ペコリ)
私もとても気に入っているし、なによりも細がすごく喜んだのでこれにして本当によかったと思っているが、やっぱり遅れるんだよね・・・。